執筆:宮﨑 裕子(シニアコンサルタント)
バブル崩壊後、「失われた10年」の影響を強く受けた不動産業界。苦しみながらも、外資系投資ファンドの台頭と共に立ち直りを見せ、「ミニ・ファンドバブル」と呼ばれた時期もありました。しかし、それもつかの間、リーマンショックによって日本経済が大打撃を受けたことは記憶に新しいでしょう。不動産開発業者などもバタバタと倒れ、巨額の負債総額が紙面に踊る日々は、今思い返しても衝撃的でした。
それから数年が経ち、不動産動向に上向きの傾向が見られたところへ発生したのが、今回の東日本大震災です。悲劇は東北地方のみならず日本全体を巻き込み、不動産業界も再び大打撃を受けることが心配されました。しかしながら、一時的に回復基調は弱まるものの、回復傾向は持続するとの見方で落ち着きそうです。
そうなると、本格回復する前に、現在の不動産市況を上手に活用しない手はありません。弱含みで賃料が推移している今、オフィス移転を考えてみてはいかがでしょうか。
オフィスビル業界に絞ってみると、リーマンショック以後、「築浅」「好立地」などの条件に恵まれたビル以外は苦戦が続く中、「2012年問題」と呼ばれるオフィスビルの大量供給が来年に迫ってきました。これは、再開発などによって延べ床面積が数万坪もある大型オフィスビルが相次いで竣工することを指し、オフィスビル業界は更なる競争激化の波に直面しています。
都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区および渋谷区)でも、2006年以後空室率が上昇し、07年1月時点では3%を切っていた空室率が11年5月末時点では9%弱に達するなど、状況の悪化をうかがい知ることができます。
都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区および渋谷区)でも、2006年以後空室率が上昇し、07年1月時点では3%を切っていた空室率が11年5月末時点では9%弱に達するなど、状況の悪化をうかがい知ることができます。
オフィスビルのオーナー様にとっては頭の痛い問題が山積していますが、翻って借り手の立場からみると、メリットが増えているのも事実です。
不動産業界で今一番忙しい業種の一つはオフィスビル賃貸仲介業ともいわれ、震災後は更に忙しくなりつつあります。それだけ多くの企業が移転していることになりますが、その傾向は大まかに2通りに分けられます。
一つは、業績悪化による経費削減としてのオフィス移転です。オフィスの集約化を行うことで固定費を下げるようなケースで、引越し費用を考慮しても月々の費用が目に見えて削減できますので、魅力的な対処方法になっています。
実際に多くの企業が賃料削減に成功していますが、そのうち数例を下記にご紹介させて頂きます。なお、各ビル名は仮名になりますので、ご了承下さい。
<金型製造C社>
●恵比寿ビル(1984年竣工) → 天王洲アイル・タワービル(1994年竣工)
●360坪 → 341坪
●坪2万3,000円 → 坪1万5,000円
※オフィス賃料削減額推定
月間:-316万円/年間:-3,800万円
<飲食店企画運営会社D社>
●東新橋ビル(1964年竣工) → 西新橋ビル(1979年竣工)
●330坪(3フロアー使用) → 307坪(1フロアー使用)
●坪2万5,000円 → 坪1万7,000円
※オフィス賃料削減額推定
月間:-303万円/年間:-3,600万円
<OA機器販売B社>
●東品川ビル(1991年竣工) → 港南ビル(1987年竣工)
●360坪(3フロアー使用) → 280坪(1フロアー使用)
●坪1万8,000円 → 坪1万3,000円
※オフィス賃料削減額推定
月間:-284万円/年間-3,400万円
上記の例では、どの企業も大幅な固定費削減に成功しています。しかし、最近のオフィス移転の主流は、固定費削減と同時に費用対効果の向上を実現することにあります。築浅で免震、制震機能を備えたようなオフィスビルでも、リーマンショック前と比較して半額になっているものもあり、かなりお得感が出ています。
今回の実例でも、これまでは高くて入居できなかった高スペックタワービルへの移転や3フロアーに分散していたものを1フロアーに集約したことによる効率化、そして、これまでよりも好立地への移転など、大きなメリットにつながっています。
不動産業界で今一番忙しい業種の一つはオフィスビル賃貸仲介業ともいわれ、震災後は更に忙しくなりつつあります。それだけ多くの企業が移転していることになりますが、その傾向は大まかに2通りに分けられます。
一つは、業績悪化による経費削減としてのオフィス移転です。オフィスの集約化を行うことで固定費を下げるようなケースで、引越し費用を考慮しても月々の費用が目に見えて削減できますので、魅力的な対処方法になっています。
実際に多くの企業が賃料削減に成功していますが、そのうち数例を下記にご紹介させて頂きます。なお、各ビル名は仮名になりますので、ご了承下さい。
<金型製造C社>
●恵比寿ビル(1984年竣工) → 天王洲アイル・タワービル(1994年竣工)
●360坪 → 341坪
●坪2万3,000円 → 坪1万5,000円
※オフィス賃料削減額推定
月間:-316万円/年間:-3,800万円
<飲食店企画運営会社D社>
●東新橋ビル(1964年竣工) → 西新橋ビル(1979年竣工)
●330坪(3フロアー使用) → 307坪(1フロアー使用)
●坪2万5,000円 → 坪1万7,000円
※オフィス賃料削減額推定
月間:-303万円/年間:-3,600万円
<OA機器販売B社>
●東品川ビル(1991年竣工) → 港南ビル(1987年竣工)
●360坪(3フロアー使用) → 280坪(1フロアー使用)
●坪1万8,000円 → 坪1万3,000円
※オフィス賃料削減額推定
月間:-284万円/年間-3,400万円
上記の例では、どの企業も大幅な固定費削減に成功しています。しかし、最近のオフィス移転の主流は、固定費削減と同時に費用対効果の向上を実現することにあります。築浅で免震、制震機能を備えたようなオフィスビルでも、リーマンショック前と比較して半額になっているものもあり、かなりお得感が出ています。
今回の実例でも、これまでは高くて入居できなかった高スペックタワービルへの移転や3フロアーに分散していたものを1フロアーに集約したことによる効率化、そして、これまでよりも好立地への移転など、大きなメリットにつながっています。
東日本大震災を教訓に、各企業はBCP(Business Continuity Plan:「事業継続計画」)を強く意識するようになりました。オフィスビルを選ぶ際には耐震性に着目するケースが増え、耐震基準が昭和56年(1981年)を境に厳しくなっていることから、旧耐震のビルを出て新耐震のビルに移転するケースも多く見受けられます。旧耐震のビルでも、耐震補強工事が行われていれば問題はないのですが、多額の費用が掛かるために手付かずになっているビルが多いことも事実です。
これまでのオフィス供給量とそれに対する入居希望数、今後の経済状況を鑑みると、しばらくは借り手市場が続くと予測されます。賃料交渉などで借り手側が優位に立てる状況ですので、この機会に固定費削減、BCPなどの観点からオフィス移転をご検討頂くのも良いかも知れません。
株式会社OAGコンサルティングでは、OAGグループの顧客サービスの一環として、ご希望の方(=特別会員※)を対象に今年の5月から不動産の売買情報をご提供しています。お客様の買いたい、売りたいニーズの情報共有を目的としておりますが、7月からは新たにオフィス賃貸物件情報の共有サービスも開始致しました。移転をお考えの方だけでなく、テナントをお探しのオーナー様にもご活用頂ければ幸いです。
※特別会員のご登録は無料です。ご興味のある方は、こちらまでご連絡下さい。
これまでのオフィス供給量とそれに対する入居希望数、今後の経済状況を鑑みると、しばらくは借り手市場が続くと予測されます。賃料交渉などで借り手側が優位に立てる状況ですので、この機会に固定費削減、BCPなどの観点からオフィス移転をご検討頂くのも良いかも知れません。
株式会社OAGコンサルティングでは、OAGグループの顧客サービスの一環として、ご希望の方(=特別会員※)を対象に今年の5月から不動産の売買情報をご提供しています。お客様の買いたい、売りたいニーズの情報共有を目的としておりますが、7月からは新たにオフィス賃貸物件情報の共有サービスも開始致しました。移転をお考えの方だけでなく、テナントをお探しのオーナー様にもご活用頂ければ幸いです。
※特別会員のご登録は無料です。ご興味のある方は、こちらまでご連絡下さい。




